ベタとの暮らし方
ベタとの暮らし方


必要な機材

 まず水槽ですが、ベタにはラビリンス気管と呼ばれる補助呼吸器官があり、飼育水の中の酸素が少なくなっても、水面から口を出して空気呼吸する事が出来ます。
 ですから場合によっては数百ミリリットル程度の水しか入っていないビンや、ブランデーグラスのようなものでの飼育も可能です。

 しかしこのような飼い方で、長期にわたって飼育水の水質悪化をさせずにベタの健康を維持していくことは、よほどのベテランでもない限りは不可能と考えて間違いないでしょう。

 ここはやはり水槽での飼育がベストということになりますが、ベタはあまり積極的に泳ぎ回る魚ではないため、あまり大きな水槽を用意する必要はありません。

 とりあえずベタだけを飼育しようというのであれば、30cm規格水槽(横幅30cm×奥行き19cm×高さ25cm 容積12リットル)での単独、あるいはペアでの飼育をお奨めします。
 このサイズの水槽を使用する利点は、まず価格が安い(一般的なガラス生のもので¥1,000〜¥2,000前後)、次に設置場所を取らない、メンテナンスが楽といったことがあげられます。
 なかでも設置場所は特に重要で、水を張った状態の水槽というのは見た目以上に重量があり、60cmの規格水槽でも総重量が80kg前後にもなるため、不用意に下駄箱の上などに設置してしまうと水漏れや、最悪の場合火事の原因にもなりかねません。
 その点30cm水槽は重くても20kg止まりで、特に専用の水槽台などを準備する必要がありません。

 今度は欠点を考えてみると、まず飼育水が12リットル前後と少ないため(60cm水槽は57リットル)、水温や水質が安定しづらい点が上げられます。
 しかしこれは収容する魚の数を少なめにし、水草などを入れることによってある程度ごまかす(?)事が出来ます。

 次にベタはもともと東南アジアの魚ですから日本の秋から春にかけての間、人為的に水温を調整する必要があります。
 そこで必要になるのが、ヒーターとサーモスタットです。

 この内ヒーターはセラミック管の中に電熱線を通したもので、通電すると発熱し水温を上昇させます。
 サーモスタットは事前に目的の水温に設定しておき、水温がその設定温度を下回ったらヒーターのスイッチをオンにし、上回ったらオフにする機器です。
 なお、サーモスタットにはバイメタル式と電子式があり、価格の面ではバイメタル式の方が安価ですが、取り扱い易さや精度の面では圧倒的に電子式の方が優れています。
 さらに、ヒーター自体にあらかじめ温度設定がされているものも市販されています。

 これらの選択は好みにもよりますが、ヒーターは70W前後のもの、サーモスタットは電子式のものをお奨めします。
 価格は安価なもので(ヒーター+サーモスタットで)¥2,000前後からあるはずです。
 また、やや高価ですが火災などの事故防止型のものも市販されています。

注:これらの機器では水温を下げることは出来ません。

 次に、水槽内の水は魚が出す排泄物や、残餌などで徐々に汚れていきます。
 この汚れを濾過装置(以下フィルター)が必要になります。

 フィルターはまず物理的に目に見えるようなゴミを取り除き、次に魚の排泄物などがもとで発生する有害なアンモニアをバクテリアの力を利用して亜硝酸→硝酸と変化させ、比較的魚に無害な物質へ変換させます。
 この濾過装置は多くの種類がありますが、エアーポンプを使用するスポンジフィルターと呼ばれるもの、具体的に商品名を挙げると、テトラというメーカーのニュー・ブリラント・フィルターを使用している人が多いようです。
 このフィルターは水槽内に適度の酸素を供給し、また不必要な水流を作らないため、流れを好まないベタの飼育に向いています。
 またフィルターに接続するエアーポンプは、ニッソーというメーカーが出しているシータというものが音も静かでお奨め出来ると思います。

 次に照明ですが、これは水槽を設置する場所などにもよりますが、できれば専用のものを用意して下さい。
 熱帯魚店に行けば30cm水槽用の照明が売られていますが、あまり種類は多くないと思いますので、選ぶのに苦労することはないと思います。

 これで大きなものは一通り揃ったはずです。

 今度は小物について考えてみると、

 ・水温計。
 ・塩素を中和する中和剤。
 ・砂利。
 ・水質測定用試薬
 ・アクアセイフ

 ざっと書いた見ただけでこれだけのものが必要になりますが、これらのうちの水温計は必ず必要です。

 また飼育水に水道の水を使用する場合は塩素中和剤も必須になります。
 この際、個体のものより液体のものの方が使いやすく、また個体のものは規定量よりかなり少なめに使用しないとかえって害があるようです。

 砂利は入れない方が掃除などの際は楽なのですが、入れておくと砂利の中にバクテリアなどが繁殖し、結果として水質が安定します。

 次に水質測定用試薬ですが、これには様々な種類のものが市販されていますが、最低限必要なものはpH測定用(¥2,000前後)のものだけです。
 ただし、無ければ無いで何とかなるので、無理に購入する必要はありません。

 最後にアクアセイフですが、これは水質調整材の一種で、水道水に含まれる重金属などを中和し、魚のエラや粘膜を保護してくれます。
 ただこれも、ベテランブリーダーの方の中にもアクアセイフを使ってない方がいますので、絶対必要というわけではありません。

 これで必要なものはほぼ揃ったかと思います。
 またこれらの器具を別々に購入するのではなく、小型オールインワン水槽などと呼ばれる小型システム水槽を購入すれば、砂利などを除く全ての器具が含まれており、また外観もよけいな配線などが見えず、とてもスマートな印象を受けます。
 ただし、価格的にはやや割高になってしまい、場合によっては60cm水槽に照明やフィルターなどが全部セットになったもののほうが安上がりになってしまう事も多いようです。
 ただし、前述しました通り、60cm水槽ですと最終的な重さが80kg前後になるため設置場所の選定には注意が必要です。


水槽の設置

 今度は準備した器具の設置について書いていきたいと思います。

 まず水槽の設置場所ですが、出来るだけしっかりした台の上に水平に設置します
 その際、窓辺など直射日光が当たる場所には絶対に設置しないで下さい。
 直射日光が当たると水温が安定せず、また苔などの大量発生の原因になります。

 次に砂利を入れる場合は事前に良く洗っておいたものを入れて下さい。
 今度はフィルターやヒーターなどを説明書通りに設置して下さい。

注:この時点では絶対に電源を入れないで下さい。事故の原因になります。

 そこに塩素を中和した水を入れて下さい。
 (この際出来れば別の容器で塩素の中和と水温調整を行っておいて下さい。)
 次にフィルターやヒーターなどに通電して下さい。  一般の熱帯魚(ネオンテトラやエンゼルフィッシュなど)は25℃前後で飼育しますが、ベタは28℃と若干高めの水温を好みますので、サーモスタットの設定は28℃前後にして下さい。

 この状態で出来れば1週間、最低でも2〜3日は試運転して下さい。
 最初からいきなり魚を入れると、すぐに水質悪化→魚病発生→全滅といった結果につながります。

 水道水は大腸菌などを殺す代わりに、毒性のある物質が多く含まれています。  ですから水槽の中に水道水を入れると、  


水草など

   特にペアで飼育する場合、弱い方の個体の避難場所になるため必ず入れて下さい。

 具体的に水草の種類を挙げると、水底にウィローモス、中層にマツモ、水面にリシアなどの水草を入れるのがベストだと思います。
 これらの水草は比較的入手しやすく、さらに安価で丈夫と三拍子揃っていますので、個人的にお奨めします。
 もしお近くのショップで入手できない場合は、[水草苑]というお店の通販でも購入できるようです。


日常の管理

 ベタは比較的餌にうるさくないため、市販されている人工飼料などでもよく食べますが、フレーク状のものよりも粒状の物の方が好きなようです。
 私は試したことがないのですが、クロマという餌は評判が良いようです。
 (私はテトラ・プランクトンフードという人工飼料を与えています。)
 また、イトメや赤虫(冷凍も可)、ブラインシュリンプなどの生き餌はベタの大好物ですが、栄養のバランスなどの点から、あくまでも主食は人工飼料にする事をお奨めします。

 次に餌の与え方ですが、餌は1度にたくさん与えるのではなく、日に数回少量ずつ与えて下さい。
 その際、食べ残しがでる様でしたら餌の量を減らして、残餌が出ないようにして下さい。
 残餌は水質悪化の最大の原因になります。

 また週に1度は水槽の水の1/4〜1/3を新しい水と交換して下さい。
 これは水槽内に蓄積される硝酸など、魚にとって害になる物質を水槽の外に出すためにどうしても欠かすことが出来ない作業です。
 30cm水槽ですと水量は12リットル程度ですから、1/4で3リットル、1/3で4リットルですから、さほど苦になることはないと思います。
 ここで注意することは、水槽に入れる水は必ず別の容器で塩素中和をしておくことです。  この作業を水槽内で行うと、魚や水草、水質を安定させてくれるバクテリアなどに大きなダメージを与えてしまいます。
 さらに、水温も事前に調整しておけば完璧だと思います。


その他

 その他、ここに書かれていないことや、分からない事があった際は、[ニフティーサーブ]のアクアリウムフォーラム専門館 5番会議室がベタやグーラミィの話題を扱っていますので、そちらで質問してみて下さい。
 また、ニフティーサーブのIDを持っていない方で、質問などがある方は、私宛にメールを下されば私の分かる範囲でお答えいたします。


最後に

 ここまで読んで下さってありがとうございます。

 只今、私の家で繁殖させたトラディショナル・ベタをタダでお分けしております。
 詳しくは[こちら]をご覧下さい。


ご意見・ご感想・質問・クレームなどはお気軽にこちらへどうぞ

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